【月経過多の治し方】副作用のあるピルに頼らないでハーブで症状を改善する

月経過多による出血量の増加は子宮の病気など器質的なことが原因でない場合、ホルモンバランスの乱れを整える必要があります。ホルモン分泌の異常が主な原因となっており、治療法として低用量ピルやホルモン補充療法などで女性ホルモンを補ってあげる必要がありますが副作用があります。そのため、薬のアレルギーや副作用の心配がある人には、体にあまり負担のかからない自然なもの(ハーブ等)や食事でホルモンバランスを整えることをおすすめします。

 

月経過多とピルについて

前回のブログでお話したように、女性は脳の下垂体から2種類の性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン)が分泌されます。その働きによって排卵が引き起こされ、初潮を迎えた女性は閉経するまで毎月約28日周期で月経が起こります。

 

 

月経と女性ホルモンは密接に関わっています。

女性ホルモンとは卵巣から分泌されるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)のことを言います。

排卵前はエストロゲンを分泌し、排卵後はプロゲステロンを分泌し始めます。

 

子宮の内側を覆っている子宮内膜はエストロゲンとプロゲステロンの刺激を受けて厚みを増し、受精した場合には着床しやすいように準備を整えますが、受精しなかった場合、子宮内膜は必要なくなるためはがれ落ち、受精しなかった卵子や血液とともに体外へ排出され月経を迎えます。

 

月経時の出血量は個人差がありますが20mL~140mLが正常とされています。

140mL以上の出血がある場合、月経過多になります。

 

 

・低用量ピルとホルモン補充療法

一般的にピルは、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモンが配合されています。

ピルに配合されている女性ホルモン(エストロゲン)の量によって以下のように分類されます。

・高用量ピル(50mg以上)

・中用量ピル(50mg)

・低用量ピル(30~35mg)

・超定用量ピル(30mg以下)

 

ホルモン分泌異常で月経過多の場合、20~30代の女性は低用量ピル、40歳以上の女性はホルモン補充療法で治療を行います。

ピルもホルモン補充療法も女性ホルモンを補う治療法で、月経過多などの症状を改善します。

 

・ピルの副作用と服用禁忌

ピルの重篤な副作用として血栓症リスクがあります。

40歳以上の女性の場合、ピルに含まれるホルモンが血液凝固機能に影響を及ぼすため血栓ができやすくなります。そのため、20~30代の女性に処方される低用量ピルとは種類や量が異なるホルモン補充療法が行われます。

 

また、40歳以上の女性だけでなく血栓リスクが高いとされる喫煙者、肥満、高血圧の人もピルの服用は難しいと言われています。

乳がん、子宮内膜がん、子宮頸がん及びその疑いのある人は服用禁忌となっています。

 

 

・ピルと併用する際、注意が必要な薬

飲み合わせに注意が必要な薬です。ピルや薬の効果が弱くなったり、強くなったりします。

 

・抗菌薬

・抗うつ薬(三環系)

・抗てんかん薬

・アセトアミノフェン

・セントジョーンズワート(ハーブ)

 

 

ホルモンバランスを整える

ホルモン分泌異常はホルモンバランスの乱れが原因です。

月経過多だけでなく、疲れやすかったり、肌あれしたり、落ち込んだり・・・。

女性ホルモンのバランスが崩れると肉体的にも精神的にも不安定な状態になります。

 

 

・女性ホルモン分泌異常の原因

女性ホルモンのバランスが乱れる原因として、加齢(ホルモンの減少による不調)やストレス、睡眠不足、暴飲暴食などがあげられます。

生活リズムや栄養バランスに注意して健康的な生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。

 

その他にも、ホルモンを分泌する体の機能が正常に働いていないことが原因となっています。

→排卵を促す脳の下垂体が正常に機能していない

→女性ホルモンを分泌している卵巣が正常に機能していない

 

 

・女性ホルモンはバランスが大事

女性の体を整えるホルモンは年齢によって変化し、体にさまざまな影響を与えています。

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れると体に不調があらわれます。

特にエストロゲンの影響が大きく、更年期後の女性はさまざまな病気のリスクが高まるため注意が必要です。

食事や栄養に注意して、積極的に大豆食品を取り入れると良いでしょう。

→大豆は女性ホルモンと似た働きをする成分が含まれています。(大豆イソフラボン)

 

 

おすすめのハーブ(サプリメント)

薬物療法で症状を改善する場合、低用量ピル等を服用する選択肢がありますが人工的に排卵を止めるため体に負担にならないか、副作用が心配など・・・懸念事項があり二の足を踏む人も少なくありません。そこで植物療法リサーチャーの私がハーブを調べた結果、以下のものをおすすめします。

 

・チェストベリー(Chaste berry

Chaste berry:古くから婦人科系の疾患に用いられてきたハーブです。チェストベリーは脳下垂体に直接作用し、黄体形成ホルモンの分泌を増加させ、卵胞刺激ホルモンの分泌を抑制することから月経過多による黄体ホルモン機能不全を緩和します。チェストベリーはホルモン分泌作用を調整することから、更年期障害や生理前症候群(PMS)などに用いられています。

 

・ブラックコホシュ (Black cohosh

Black cohosh:ブラックコホシュは北米の先住民たちが生理痛やPMS等に用いてきたハーブで、成分の中には体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た作用を発揮するものが含まれています。ブラックコホシュはホルモンバランスを調節する働きがあるため、欧米では更年期のホルモン補充療法の代わりにブラックコホシュが用いられています。

 

・ピクノジェノール(Pycnogenol)

ピクノジェノールはフランス南西部に自生するフランス海岸松樹皮の抽出物で、プロアントシアニジンを主成分としています。強力な抗酸化作用、抗炎症作用によって生活習慣病の予防や改善、静脈循環不全のほか、婦人科系の疾患や活性酸素による老化現象などにも用いられています。ピクノジェノールは更年期症状を改善するだけでなく紫外線やコラーゲンに対する効果があり、皮膚の保湿と弾力性を向上すると言われています。ちなみに私はピクノジェノールのサプリを毎日40mg服用しているおかげで月経過多が改善し、お肌の調子も良いです。

 

 

1松樹皮抽出物 (俗名:ピクノジェノール、フラバンジェノール) 

[英]French marine pine bark extract、Pycnogenol、FLAVANGENOL [学名]Pinus pinaster

主な成分:

プロシアニジン (Procyanidin) 類、タンニン、粘質物、コニフェリン、コニフェリルアルコール、ジテルペノイド類、トリテルペノイド、揮発油ほか。

→月経困難の対象者において、鎮痛薬の必要量や利用日数の減少が認められた

→更年期症状の評価指数が改善した

などの報告があります。そのほかにも・・・
→松樹皮抽出物は経口摂取で慢性の静脈不全症の改善、糖尿病性または他の網膜症に有効性が示唆されています。

→松樹皮抽出物は免疫賦活(免疫機能を高める働き)作用により、免疫抑制治療に影響を与える可能性があります。

 

 

まとめ

ホルモンバランスの乱れによる月経過多と対処法についてご紹介しました。一般的に病院ではホルモン補充療法や低用量ピルが処方されますが副作用の心配があります。医薬品に頼るだけでなく、食事や栄養バランスに気を付けたり、ハーブ(サプリメント)で改善する方法もあります。以前ブログで紹介したようにハーブはもともと医薬品のルーツでありました。

 

 

ハーブは法律上医薬品ではなく食品として流通していますが、薬理作用を持つものが多くあります。現在薬を服用している方は飲み合わせ等に注意し、医師などに相談することをおすすめします。

 

参考:

国立健康・栄養研究所

「健康食品」の安全性・有効性情報  https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail59.html

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です